茨木市と NTT西日本が国産 LLM「tsuzumi 2」で小中学校の校務 AI を実証|オンプレミス環境で校務文書の検索・要約と文書作成を支援、2027 年 3 月まで検証【AI活用事例】

公開: 2026-11-06

NTT西日本(茨木市との協働)教育校務効率化(校務文書の検索・要約、文書作成支援の実証)大手NTT版大規模言語モデル「tsuzumi 2」の最新モデル教育分野に特化したオンプレミス環境の生成 AI アプリケーション(NTT西日本が開発)生成 AI 向けの比較的低コストな GPU サーバー

この事例でわかること

  • 茨木市と NTT西日本が、純国産プライベート LLM を使う小中学校向け校務 AI の実証を 2026 年 10 月 13 日に市立の一部小中学校で開始(公式発表 2026-10-13)。LLM は NTT 版大規模言語モデル「tsuzumi 2」の最新モデル
  • 背景は、校務に必要な情報がサーバー上の複数ファイルに分散し、検索・確認・文書作成に手間がかかること。機密性の高い情報を扱うため、安全性と利便性の両立が求められている
  • 教育分野に特化したオンプレミス環境の生成 AI アプリで、チャット形式の質問、校務文書の検索・要約、文章作成支援などを提供。利用者権限に応じたアクセス制御とローカル環境での運用を通じて安全性と実用性を評価する
  • 検証は教職員へのアンケートとヒアリングで、検索・文書作成の時間、回答の有用性、操作性、継続利用意向を確認。期間は 2027 年 3 月 31 日まで。成果の数値はまだない
  • 学べる型は、「どの資料を、誰が見てよいか」を先に決めてから AI を置くこと、そして時間だけでなく回答の有用性と使い続けたいかを測ること(演習は Links-Create の研修用提案)

主な指標(一次ソース確認済み)

実証期間
2026 年 10 月 13 日〜2027 年 3 月 31 日

NTT西日本公式ニュースリリース(2026-10-13)の「令和8年10月13日~令和9年3月31日」を西暦に換算。期間には教職員の利用終了後の振り返りなども含まれる。2026 年 11 月時点では実証の途中で、結果は公表されていない。

実施場所
茨木市立の一部小中学校

公式ニュースリリースに「市立の一部小中学校」と記載。対象の学校数・教職員数は非公表。

検証項目
時間・回答の有用性・操作性・継続利用意向

公式ニュースリリースに基づく。教職員へのアンケートとヒアリングで、情報検索や文書作成に要する時間、回答の有用性、操作性を検証し、継続利用意向も確認する。時間の削減率などの定量結果は、実証開始時点のため未公表。「全国初」は NTT西日本調べ(2026 年 9 月時点)で、小中学校の現場で純国産プライベート LLM を活用した校務 AI 実証として。

一次ソース: https://www.ntt-west.co.jp/news/2610/261013a.html (公開: 2026-10-13)

要約

大阪府茨木市と NTT西日本が、純国産プライベート LLM を使った小中学校向け校務 AI の実証を 2026 年 10 月 13 日に開始しました(公式発表 2026-10-13)。LLM には、NTT 版大規模言語モデル 「tsuzumi 2」の最新モデルを使います。

公式発表から読み取れるポイントは次の 3 つです。

  • 課題は「探す手間」: 校務に必要な情報がサーバー上の複数ファイルに分散し、検索・確認・文書作成に手間がかかる
  • 安全性を前提にした環境: 教育分野に特化したオンプレミス環境の生成 AI アプリで、利用者権限に応じたアクセス制御とローカル環境での運用を行う
  • 成果はこれから: 期間は 2027 年 3 月 31 日まで。時間・回答の有用性・操作性・継続利用意向を、アンケートとヒアリングで検証する

本記事は NTT西日本の公式ニュースリリース(茨木市との共同発表、2026-10-13)を一次ソースに、事実の整理と Links-Create の分析・研修用の演習を分けて解説します。演習は研修用の提案であり、茨木市や NTT西日本が実施した事実ではありません。

何が発表されたか(公式情報ベース)

発表は実証の開始を知らせるもので、成果の報告ではありません。この点を前提に読んでください。

実証の概要

項目内容(公式発表の要約)
実施主体茨木市と NTT西日本の協働
期間2026 年 10 月 13 日〜2027 年 3 月 31 日(教職員の利用終了後の振り返りなどを含む)
場所茨木市立の一部小中学校
LLMNTT 版大規模言語モデル「tsuzumi 2」の最新モデル
環境教育分野に特化したオンプレミス環境の生成 AI アプリケーション。生成 AI 向けの比較的低コストな GPU サーバー上で稼働
主な機能チャット形式での質問、校務文書の検索・要約、文章作成支援など
安全面利用者権限に応じたアクセス制御、ローカル環境での運用を通じて安全性と実用性を評価
検証方法教職員へのアンケートとヒアリングで、情報検索や文書作成に要する時間、回答の有用性、操作性を検証。継続利用意向も確認

役割分担

主体担当
茨木市実証フィールドの提供、教職員へのヒアリングや周知のための調整
NTT西日本実証の全体調整、生成 AI アプリケーションの開発、効果検証の実施

背景

「市立小中学校の教職員が対応する校務において、必要な情報がサーバー上の複数のファイルに分散し、検索や確認、文書の作成に手間がかかる場面があります。」 — 出典: NTT西日本公式ニュースリリース(2026-10-13)

あわせて公式発表は、生成 AI への期待が高まる一方、機密性の高い情報を扱う教育現場では安全性と利便性を両立した環境が求められていると説明しています。

なお「全国初」は、小中学校の現場で純国産プライベート LLM を活用した校務 AI 実証として、NTT西日本が 2026 年 9 月時点で調べた結果です。

公式発表で開示されていない情報(推論で書かない)

  • 対象の学校数・教職員数
  • AI が参照する校務文書の種類と量
  • 利用者権限の具体的な区分(誰が何を見られるか)
  • GPU サーバーの台数・費用
  • 時間の削減などの定量的な目標値
  • 実証の結果(2026 年 11 月時点で実証の途中)

これらは公式情報がないため、本記事でも記載しません。

設計の読み解き(Links-Create による解説)

ここからは、公開情報から読み取れる設計上のポイントを Links-Create の視点で解説します。以下は独自分析であり、茨木市や NTT西日本の公式見解ではありません。

1. 最初の用途を「探す」に置いている

主な機能の筆頭に挙がっているのは、校務文書の検索・要約です。生成 AI の用途は文章作成が目立ちますが、散らばった資料から必要な箇所を探すことは、毎日の小さな時間を積み上げて消費する仕事です。しかも、答えの元になる文書が手元にあるため、AI の回答が正しいかを元の文書で確かめやすい用途でもあります。

用途確かめやすさ(解釈)実証での位置づけ
校務文書の検索・要約元の文書と照らし合わせられる主な機能
文章作成支援内容の正しさは人が判断する必要がある主な機能
チャット形式での質問質問の内容による主な機能

2. 「誰が何を見られるか」を AI の手前で決めている

利用者権限に応じたアクセス制御は、学校に限らず、社内の文書を AI に読ませるときの最重要点です。たとえば、児童・生徒の個人情報や人事に関わる文書を、すべての教職員が AI 経由で検索できてしまえば問題になります。AI を入れる前に、文書ごとの閲覧権限を整理しておくことが前提になります。

3. 測る項目が「時間」だけではない

検証項目は、時間に加えて、回答の有用性・操作性・継続利用意向です。時間が短くなっても、回答が役に立たなければ使われなくなりますし、操作が難しければ一部の人しか使いません。「使い続けたいか」を測ることは、実証の後に本格導入するかを判断するうえで重要な材料になります。

一方で、アンケートやヒアリングは自己申告が中心です。結果が公表されたときは、時間の数値が実測か自己申告かを確認する必要があります。

4. 既存の事例との違い

事例LLM の使い方本事例との違い
野村総合研究所の業界特化型 LLM金融業務向けに LLM を高精度化企業が業務特化の LLM を作る話。本事例は既存の国産 LLM を学校の文書検索に使う実証
ネットワンシステムズの NetOne Claw社内 AI エージェントの権限を操作ごとに限定権限設計の考え方は共通。本事例は文書の閲覧権限とオンプレミス運用が中心

自社に置き換える演習(Links-Create の研修用の提案)

以下の演習と表の例は、Links-Create が研修用に提案するものです。茨木市や NTT西日本が実施した手順や事実ではありません。 表の「例」は架空の例です。

演習 1: 「探している時間」を 1 週間記録する

1 週間、資料やルールを探すのにかかった時間と、探したものを記録します。

探したもの(研修用の例)かかった時間どこにあったか
行事の前年の実施要項15 分共有フォルダの年度別フォルダ
出張旅費の規程10 分別部署のフォルダ
保護者向け通知の過去の文例20 分個人のフォルダ

探す時間が多い資料ほど、AI による検索・要約の候補になります。

演習 2: 文書を「AI に読ませてよいか」で 3 区分する

区分例(研修用の例)扱い
全員が見てよい規程、手引き、年間行事予定AI の検索対象にしやすい
担当者だけが見てよい個人の成績、人事、健康情報権限設定を確かめてから。迷ったら対象外
外に出してはいけないパスワード、未公表の重要情報AI に読ませない

演習 3: 評価の 4 項目を決める

AI を試すときは、時間だけでなく次の 4 つを事前に決めて測ります。

  • 時間(探す・書く時間が減ったか)
  • 有用性(回答が実際に役に立ったか)
  • 操作性(迷わず使えたか)
  • 継続利用意向(これからも使いたいか)

文書作成に生成 AI を使う基本は Claude・ChatGPT で文章を作る方法 で解説しています。

法人 AI 研修への示唆(Links-Create の視点)

  1. 最初の用途は「探す」から — 答えの根拠になる文書があり、正しさを確かめやすい
  2. 権限の整理が AI 導入の前提 — 誰が何を見られるかを決めてから AI に文書を読ませる
  3. 実証開始と成果を区別する — 「実証を始めた」発表を「効果が出た」事例として扱わない

関連リソース

出典・引用ポリシー

本記事の事実情報は、次の公式発表のみを一次ソースとしています。

設計の読み解き・演習・研修への示唆は Links-Create の独自分析・研修用の提案であり、茨木市および NTT西日本の公式見解ではなく、両者が実施した事実でもありません。本件は実証の開始であり、成果の数値は公表されていないため記載していません。国産・オンプレミスであることだけで安全性を断定していません。公式情報の更新があれば、本記事も追従して更新します。

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