GMOインターネットグループの生成 AI 全社活用|四半期ごとの定点調査で AI エージェント業務活用率 71.4%、1 人あたり月約 53.9 時間の削減(同社調査)【AI活用事例】
公開: 2026-11-06
この事例でわかること
- GMOインターネットグループは、グループ全体の生成 AI 活用を四半期に一度の定点調査で測っている。2026 年 3 月の調査(有効回答 5,353 人)の結果を 2026 年 4 月 9 日に公表
- 生成 AI 業務活用率は 97.8%(シフト勤務除く国内パートナー)。業務活用者のうち AI エージェントの業務活用率は 71.4%(前回調査 43%)、複数 AI サービス利用率は 91.5%、有料サービス契約率は 82.0%
- 1 人あたりの月間の業務削減・捻出時間は約 53.9 時間、グループ全体で月約 35.2 万時間と同社が発表。生成 AI 活用全体の値で、算定方法は公表資料に記載がない
- 活用を広げた仕組みとして、有料 AI サービスの利用を支える「GMO AI ブースト支援金」と、AI エージェントを実務で試す環境を整える人材育成「一騎当千プロジェクト」が挙げられている
- 自社に置き換える学びは「全社展開を、制度・育成・定点観測の 3 点で回す」こと。指標は分母と定義をそろえて同じ質問で繰り返し測る(演習は Links-Create の研修用提案)
主な指標(一次ソース確認済み)
- AI エージェントの業務活用率
- 71.4%(前回調査 43%)
- 1 人あたりの月間の業務削減・捻出時間
- 約 53.9 時間(前回調査比 +約 7.0 時間)
- 生成 AI 業務活用率
- 97.8%(前回調査比 +1.6 ポイント)
- 複数 AI サービス利用率/有料サービス契約率
- 91.5%/82.0%
GMOインターネットグループ公式発表(2026-04-09)の定点調査(2026 年 3 月 9 日〜13 日、国内パートナー対象、有効回答 5,353 人)に基づく。分母は「生成 AI を業務に活用しているパートナー」であり、全従業員に占める割合ではない。前回調査からの増加幅は、同じ発表資料内で「+29.1pt」(調査サマリ)と「28.4 ポイント」(本文)の 2 通りの記載があり、本記事では差分の値を採用しない。「AI エージェント」の定義や、どの業務で使ったかの内訳は公表されていない。
同調査に基づく同社発表値。グループ全体では月あたり約 35.2 万時間、「約 2,203 人分の労働力を AI 活用により得られている計算」と説明されている。生成 AI の活用全体による値であり、AI エージェント単独や Claude 単独の成果ではない。時間の算定方法(回答者の申告か、業務記録からの集計か)・分母となる人数・品質や手戻りの扱いは公表資料に記載がない。第三者検証ではない。
同調査に基づく。分母は「国内パートナー(シフト勤務除く)」。業務に活用しているパートナーのうち 83.7% が「ほぼ毎日」活用しているとされる。活用の頻度や深さは業務によって異なり、97.8% は「業務で使ったことがある」水準の広がりを示す数字として読む。
同調査に基づく。いずれも分母は生成 AI を業務活用しているパートナー。前回調査比はそれぞれ +9.4 ポイント、+6.3 ポイント。2025 年 6 月に始めた「GMO AI ブースト支援金」の活用により、複数サービスの使い分けが浸透していると同社は説明している。Claude の利用率は「約 2 倍」とされるが、元の利用率の値は資料に記載がない。
一次ソース: https://group.gmo/pdf/news/gmo_news_9982.pdf (公開: 2026-04-09)
要約
GMOインターネットグループは、グループ全体で生成 AI の活用を進め、その状況を四半期に一度の定点調査で測っています。2026 年 3 月に実施した調査(国内パートナー対象、有効回答 5,353 人)の結果を、2026 年 4 月 9 日に公表しました。
この事例から学べるのは、ある 1 つの AI ツールの使い方ではなく、全社での AI 活用を、制度・育成・定点観測で回す進め方と、その結果の数字をどう読むかです。公式発表から読み取れるポイントは次の 3 つです。
- 活用は「広さ」から「深さ」へ: 生成 AI 業務活用率は 97.8%。業務活用者のうち AI エージェントの業務活用率は 71.4%(前回調査 43%)
- 時間の削減を測り続けている: 1 人あたりの月間の業務削減・捻出時間は約 53.9 時間、グループ全体で月約 35.2 万時間と同社が発表
- 広げる仕組みがある: 有料 AI サービスの利用支援(GMO AI ブースト支援金)と、AI エージェントを実務で試す人材育成(一騎当千プロジェクト)
本記事は 公式発表資料(2026-04-09)を一次ソースに、事実の整理と Links-Create の分析・研修用の演習を分けて解説します。演習の例は研修用の提案であり、GMOインターネットグループが実施した事実ではありません。
何が発表されたか(公式情報ベース)
数字はすべて同社が実施したアンケート調査の結果であり、同社自身による発表値です。この点を前提に読んでください。
調査の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査テーマ | 「生成 AI 活用」実態調査(四半期に一度の定点調査) |
| 調査期間 | 2026 年 3 月 9 日〜3 月 13 日 |
| 調査対象 | GMOインターネットグループの国内パートナー(正社員、契約社員、アルバイト、派遣社員、業務委託) |
| 回答者数 | 有効回答 5,353 人 |
| 公表日 | 2026 年 4 月 9 日 |
主な結果(公式発表の数値)
| 指標 | 結果 | 分母 |
|---|---|---|
| 生成 AI 業務活用率 | 97.8%(前回調査比 +1.6 ポイント) | シフト勤務を除く国内パートナー |
| 「ほぼ毎日」活用 | 83.7%(同 +8.3pt) | 生成 AI を業務活用しているパートナー |
| 複数 AI サービス利用率 | 91.5%(同 +9.4 ポイント) | 同上 |
| 有料サービス契約率 | 82.0%(同 +6.3pt) | 同上 |
| AI エージェントの業務活用率 | 71.4%(前回調査 43%) | 同上 |
| 1 人あたりの月間の業務削減・捻出時間 | 約 53.9 時間(同 +約 7.0 時間) | — |
| グループ全体の月間の業務削減時間 | 約 35.2 万時間(同 +約 6.3 万時間) | — |
AI エージェントについては、「活用イメージがあり、業務活用したい」を含めると 89.6% に及ぶとされています。また、約 35.2 万時間は「約 2,203 人分の労働力を AI 活用により得られている計算」と説明されています。
利用するサービスの変化
公式発表は、ChatGPT の利用が減少傾向にある一方、グループ全体で活用を推進している Claude の利用率が約 2 倍に上昇したとしています。その理由について、同社は Claude Code や Claude Cowork などのサービスが続々と登場したことで活用が伸びていると「考えられます」と述べており、調査で原因を確かめた結果ではありません。Gemini と Genspark の活用率も上昇し、利用用途によって使うサービスが異なるとされています。
活用を広げた仕組み(公式発表で挙げられているもの)
- GMO AI ブースト支援金: 2025 年 6 月に開始。この活用により、複数の AI サービスを使い分ける利用が浸透していると説明されている
- 一騎当千プロジェクト: ハイパーオートメーション化された企業グループを実現するための AI 人材を育成する取り組み。AI エージェントを実務で試す環境の整備を進め、活用率の急伸につながっていると説明されている
- 定点調査: 2023 年から続け、現在は四半期に一度実施。同じ調査を繰り返すことで、活用率や削減時間の推移を追っている
グループ内の AI 推進プロジェクト「AI しあおうぜ!」のリーダーは、公式発表内で次のように述べています。
「ハイパーオートメーションの実現には、「自動化を前提とした組織づくり」と AI と協働出来る「ニンゲン」の育成が不可欠です。」 — 出典: GMOインターネットグループ 公式発表資料(2026-04-09、グループ内 AI 推進プロジェクトリーダーのコメント)
人に残す仕事についての回答
同じ調査では、「AI を利用する中で、人間がやった方が良いと感じること」も尋ねています。公式発表によれば、ハルシネーション対策のため最後の確認は人間がすべきという回答(特に数値・日付・法律情報)と、対人業務は人間がすべきという回答が引き続き多く見られました。コーディングを AI に依頼する機会が増えるなか、「任せすぎ」による事故の実体験があることから、人間のレビューは必須という意見もあったとされています。
公式発表で開示されていない情報(推論で書かない)
- 53.9 時間・35.2 万時間の算定方法(回答者の申告か、業務記録からの集計か)と、品質・手戻りの扱い
- 約 2,203 人分の計算に使った 1 人あたりの月間労働時間
- 「AI エージェント」の定義と、どの業務・どの製品で使われたかの内訳
- Claude の利用率の元の値(「約 2 倍」の基準)
- 支援金の金額・対象・利用件数、一騎当千プロジェクトの参加人数
- 業務成果(売上・品質・顧客満足など)への影響
これらは公式情報がないため、本記事でも記載しません。
数字と進め方の読み解き(Links-Create による解説)
ここからは、公開情報から読み取れるポイントを Links-Create の視点で解説します。以下は独自分析であり、GMOインターネットグループの公式見解ではありません。
1. 分母が違う数字を、同じ物差しで読まない
公式発表の数字は、分母が 2 種類あります。
| 分母 | 該当する数字 | 読み方 |
|---|---|---|
| シフト勤務を除く国内パートナー | 生成 AI 業務活用率 97.8% | 活用の「広さ」 |
| 生成 AI を業務活用しているパートナー | AI エージェント 71.4%、ほぼ毎日 83.7%、複数サービス 91.5%、有料契約 82.0% | 活用している人の中での「深さ」 |
たとえば 71.4% は、「生成 AI を業務で使っている人のうち、AI エージェントも業務で使っている人の割合」です。「全社員の 7 割が AI エージェントを使っている」とは読めません(97.8% と掛け合わせた概算も、分母の対象範囲が完全には一致しないため本記事では行いません)。
2. 「削減・捻出時間」は、効果の上限に近い数字として扱う
53.9 時間は、生成 AI 活用全体による 1 人あたりの月間の削減・捻出時間です。算定方法が示されていないため、Links-Create は次の点に注意して読むことを勧めます。
- AI の出力を確認・修正する時間が差し引かれているかは分からない
- 「捻出」した時間が、どの業務に振り向けられたかは分からない
- AI エージェントや特定のサービスの効果を切り分けた数字ではない
社内で同じ指標を使う場合は、「削減時間」と並べて「確認・修正にかかった時間」も測ると、実態に近づきます。
3. 全社展開は「制度・育成・定点観測」の 3 点で回っている
公式発表で挙げられた仕組みを並べると、次の 3 点セットとして読めます(Links-Create の整理)。
| 役割 | 公式発表の取り組み | 何を解決するか(解釈) |
|---|---|---|
| 制度 | GMO AI ブースト支援金 | 有料サービスの費用の壁を下げ、複数サービスを試せるようにする |
| 育成 | 一騎当千プロジェクト | AI エージェントを実務で試す場と人を用意する |
| 観測 | 四半期ごとの定点調査 | 同じ質問で推移を追い、次の手を決める材料にする |
ツールを配るだけでは活用が広がらないことは、多くの企業で見られます。費用・場・測定の 3 つをそろえて回していることが、この事例の再現しやすい部分です。
4. 活用率が高くても「最後の確認は人」が共有されている
97.8% という高い活用率の組織でも、最後の確認は人間がすべきという回答が多く、AI に任せすぎて本番データが消えた経験もコメントとして紹介されています。活用を広げることと、人の確認を残すことは両立させるものだと読めます。全社展開の研修では、使い方と同じ比重で「AI に任せない部分」を扱う必要があります。
5. 既存の事例との違い
| 事例 | 焦点 | 本事例との違い |
|---|---|---|
| NRI の業界特化 LLM | 金融業界向け LLM の開発と社内利用 | モデル開発が中心。本事例は既存の AI サービスを全社に広げる運用 |
| ネットワンシステムズの社内 AI エージェント | 社内 AI エージェントを独自開発し、権限とコストを設計 | 1 つの社内ツールの設計。本事例は複数の外部サービスの使い分けと、活用状況の定点観測 |
自社に置き換える演習(Links-Create の研修用の提案)
以下の演習と表の例は、Links-Create が研修用に提案するものです。GMOインターネットグループが実施した手順や事実ではありません。 表の「例」は考え方を示す架空の例なので、自社に合わせて書き換えてください。
演習 1: 定点調査の質問と分母を決める
| 測りたいこと | 質問の例(研修用の例) | 分母 |
|---|---|---|
| 広さ | 過去 1 か月に業務で生成 AI を使ったか | 対象部署の全員 |
| 深さ | どの業務で、どのくらいの頻度で使ったか | 使った人 |
| 効果 | 1 か月で何時間減ったか、確認・修正に何時間かかったか | 使った人 |
| 不安・事故 | AI に任せて困ったことはあったか | 使った人 |
質問文と分母を固定し、四半期ごとに同じ形で聞くのがポイントです。質問を変えると推移が比べられなくなります。
演習 2: 「費用・場・測定」の 3 点を自社の規模で決める
| 項目 | 小さく始める例(研修用の例) |
|---|---|
| 費用 | 有料サービスを 1 つ選び、試用期間の費用を会社で負担する |
| 場 | 月に 1 回、AI で業務を変えた例を共有する時間をとる |
| 測定 | 演習 1 の質問を、四半期ごとに同じ形で実施する |
演習 3: 「AI に任せない部分」を一覧にする
調査結果にある「人間がやった方が良いこと」を手がかりに、自社の業務で人に残す部分を書き出します。
- 最後の確認: 数値・日付・法律情報など、誤りの影響が大きいもの
- 対人業務: クレーム対応、交渉、感情面のサポート
- 取り消せない操作: データの削除・移行、本番環境の変更
法人 AI 研修への示唆(Links-Create の視点)
- 全社展開は「測り方」の設計から始める — 何を、誰を分母に、どの頻度で測るかを最初に決めておくと、施策の効果を後から説明できる
- 数字は分母と定義を添えて共有する — 社内報告でも「誰の中の何%か」を必ず併記する習慣をつける
- 使い方と同じ比重で「任せない部分」を教える — 高い活用率と、人の最終確認は両立させる
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- 生成 AI の社内導入の進め方 — ルール整備から効果測定までの 90 日ロードマップ
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- AI エージェント入門ガイド — AI エージェントの仕組みと、チャットボットとの違い
- NRI の業界特化 LLM(AI活用事例) — 業界特化モデルを開発・活用する事例
- ネットワンシステムズの社内 AI エージェント(AI活用事例) — 社内 AI の権限とコストを設計する事例
出典・引用ポリシー
本記事の事実情報は、次の公式発表のみを一次ソースとしています。
- GMOインターネットグループ 公式発表資料『AI エージェント業務活用率が約 7 割に急伸、月間 35.2 万時間の業務削減を実現 ~Claude 利用率が 1 四半期で約 2 倍に~』(2026-04-09)
読み解き・演習・研修への示唆は Links-Create の独自分析・研修用の提案であり、GMOインターネットグループの公式見解ではなく、同社が実施した事実でもありません。
数値は公式発表の限定(同社の定点調査の結果・同社発表値・分母は数字ごとに異なる)を維持して記載しています。53.9 時間は生成 AI 活用全体の値として扱い、AI エージェント単独や Claude 単独の成果としては記述していません。AI エージェント活用率の前回比は資料内で記載が食い違うため、差分の値は採用していません。社内提案で引用する際は、前提条件を必ず併記してください。
公式情報の更新があれば、本記事も追従して更新します。
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